豊胸バック
大きく美しいバストに
大きく美しいバストに
豊胸術でメジャーなのが豊胸バッグ挿入です。豊胸バッグの素材や豊胸バッグの中に入る内容物によって柔らかさや大きくできるサイズなどが異なります。豊胸バッグは数多くの種類がありますが、共立美容外科仙台院では傷跡や豊胸バッグ挿入後を考えて豊胸バッグを使用しています。
このような方へおすすめ
- 大きなバストになりたい
- 元に戻せる豊胸がしたい
- 半永久的な豊胸がしたい
豊胸バッグ症例
共立美容外科仙台院の豊胸バッグのメリット
安心の1年保障
以下の条件においては挿入した豊胸バッグを無料で抜去・交換を行っています。
- Becker分類の4(皮膜拘縮により明らかな固さがあり、乳房の変形を来して見た感じで異常感があるもの)に相当する硬縮が起こった場合には、抜去及び入れ替えを無料で行います。
- バックが通常の生活で破損した場合は、1年以内は無料で抜去、交換します。ただし、同じメーカーの同じバックが入手困難な場合は、他のメーカーのものを使用する場合もあります。
- バックが通常の生活で破損した場合は、1年以上では、28万円で抜去、交換します。ただし、同じメーカーの同じバックが入手困難な場合は、他のメーカーのものを使用する場合もあります。
※患者さん自身の希望による抜去、交換は有料となります。抜去では、28万円、交換は38万円となります。
充実のアフターケア
無料検診
術後の検診は無料で行っています。
体外超音波
皮膜硬縮の予防のため体外式超音波のアフターケア(3回)が無料で受けられます。(3回以上の場合は、有料)
ドレーンを必要としない。
ドレーンとは排液管です。豊胸バッグを挿入するにあたって、組織の剥離が上手くいかない場合はリンパ液や血液などが体内に溜まりやすく、ドレーンを用いて体の外へ排出する必要があります。ドレーンを挿入する場合、感染症のリスクも上がります。しかし、当院は長年豊胸手術を行ってきたベテランの医師が手術を行うため、組織の剥離をゆっくりと丁寧にすることで排出が必要なほど体液が発生せず、当院は豊胸術でドレーンを使用としたことがありません。
傷跡修正が3回分無料
豊胸バッグによる豊胸では、5-6cmに及ぶワキの傷が問題になります。この傷は豊胸バックの施術では必ず生じます。当院では、この傷を目立たなくするために、MyQ&フラクセル&アンコアによる治療プランを作成しました。当院では豊胸バックによる豊胸の料金に傷跡修正3回セットの料金が含まれています。
当院での豊胸による傷修正 | 3回分が料金に含まれています。 |
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豊胸バッグ傷跡修正(当院で豊胸を行った方) | 22,000円/回(税込) |
豊胸バッグ傷跡修正(他院で豊胸を行った方) | 66,000円/回(税込) |
豊胸バックの種類と長所短所
名称 | 傷口 | 乳房立上 | X-P | 大きさ調整 | 認可状況 | |||
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術中 | 術後 | 米国 | 欧米 | 日本 | ||||
生食 | 2〜3cm | 急 | ◎ | ◎ | × | ◎ | ◎ | × |
コヒーシブシリコン | 4〜6cm | 急 | × | × | × | △ | ◎ | × |
アナトミカルタイプ | 4〜6cm | 緩やか | × | × | × | △ | ◎ | × |
ベッカータイプ | 2〜3cm | 急 | × | ◎ | ◎ | △ | ◎ | × |
- 何より安全性を重視するなら、生食バック
- できるだけ傷口を小さくしたいなら、生食かベッカータイプ
- 痩せている人で、バストの全くない人は、アナトミカルタイプ
- 乳房の左右差がある人は、生食かベッカータイプ
- 200cc以上希望の人は、生食かベッカータイプ
- 施術名:生食豊胸バックによる豊胸術
- 当施術は自由診療です。
- リスク:だるさ・熱感・頭痛・蕁麻疹・痒み・むくみ・発熱・咳・冷や汗・胸痛・傷痕のもり上がり・凹み ・色素沈着・皮膚の色素沈着・施術箇所の知覚の麻痺・鈍さ、しびれなどを生じることがあります。
- 平均的な治療費:671,000円
- 未承認医薬品:未承認
- 入手経路等:大手医療機器卸
- 国内の承認医薬品等の有無:無
- 諸外国における安全性等に係る情報:ヨーロッパCEマーク取得済み
- 「個人輸入において注意すべき医薬品等について」
- 施術名:コヒーシブシリコン豊胸バックによる豊胸術
- 当施術は自由診療です。
- リスク:だるさ・熱感・頭痛・蕁麻疹・痒み・むくみ・発熱・咳・冷や汗・胸痛・傷痕のもり上がり・凹み ・色素沈着・皮膚の色素沈着・施術箇所の知覚の麻痺・鈍さ、しびれなどを生じることがあります。
- 平均的な治療費:671,000円
- 未承認医薬品:未承認
- 入手経路等:大手医療機器卸
- 国内の承認医薬品等の有無:無
- 諸外国における安全性等に係る情報:ヨーロッパCEマーク取得済み
- 「個人輸入において注意すべき医薬品等について」
- 施術名:ベッカータイプ豊胸バックによる豊胸術
- 当施術は自由診療です。
- リスク:だるさ・熱感・頭痛・蕁麻疹・痒み・むくみ・発熱・咳・冷や汗・胸痛・傷痕のもり上がり・凹み ・色素沈着・皮膚の色素沈着・施術箇所の知覚の麻痺・鈍さ、しびれなどを生じることがあります。
- 平均的な治療費:1,100,000円
- 未承認医薬品:未承認
- 入手経路等:大手医療機器卸
- 国内の承認医薬品等の有無:無
- 諸外国における安全性等に係る情報:アメリカFDA認可、ヨーロッパCEマーク取得を取得済み
- 「個人輸入において注意すべき医薬品等について」
- 施術名:アナトミカルタイプ豊胸バックによる豊胸術
- 当施術は自由診療です。
- リスク:だるさ・熱感・頭痛・蕁麻疹・痒み・むくみ・発熱・咳・冷や汗・胸痛・傷痕のもり上がり・凹み ・色素沈着・皮膚の色素沈着・施術箇所の知覚の麻痺・鈍さ、しびれなどを生じることがあります。
- 平均的な治療費:1,100,000円
- 未承認医薬品:未承認
- 入手経路等:大手医療機器卸
- 国内の承認医薬品等の有無:無
- 諸外国における安全性等に係る情報:アメリカFDA認可、ヨーロッパCEマーク取得を取得済み
- 「個人輸入において注意すべき医薬品等について」
傷跡が目立ちにくい豊胸バッグ
傷が小さいのは、生理食塩水バックとベッカータイプです。これは、風船のように、バックが小さい状態で体のなかに挿入し、その後、生理食塩水をいれて大きくします。したがって、傷は2~3cmで可能となります。これくらいの傷で、しかも、脇からの挿入であれば、1年くらいすると傷はかなり目立たなくなります。
豊胸バッグの柔らかさ
豊胸バッグの柔らかさは体内に挿入したときの状態によって同じバッグでも変わります。変わる要因は繊維化の程度、脂肪の厚み、乳房の大きさ、出血及び炎症の程度とあり個人差があるのです。そのため、バッグの素材としては生食バッグが一番固い感触ですが、実際に挿入した時にはシリコンジェルバックを挿入した人より、生食バックの人の方が軟らかい場合も多く見られます。生まれつきの巨乳の場合と異なり、多少の硬さ、感触の違いがある場合が多いのです。
さらに詳しくは以下のページをご覧ください。
バックの挿入方法
乳輪
主に、乳腺下挿入法で選択されております。乳輪の下縁を3~4cmほど切開し、真直ぐ下方向へ侵入していきます。大胸筋に達した後、上下左右にスペースを形成していきます。この方法の最大のメリットは、局所麻酔で、かつ、直視下で手術ができることです。デメリットとしては、バックの張力が直接傷に波及するので、縫合不全を起こしやすく、傷が開きやすいことです。
乳房下縁
主に、コヒーシブシリコンバックで使用されております。コヒーシブシリコンでは、かなり大きな切開が必要であり、どうしてもこの方法が選択されます。局所麻酔で、直視下に手術を行うことが可能で、手術はやり易いと考えられております。ノースリーブが安心して着れるので、欧米では、人気があります。
脇
脇に2~3cmの小切開を施し、そのまま大胸筋縁から乳首の方向へ筋下面を沿うように侵入します。筋肉を貫いて走る血管や神経は殆どないので、出血が少なく、容易にスペースを形成可能です。また、バックの張力が切開部位へ波及しにくく、縫合不全は少ないのもこの方法のいい点です。ただし、この方法では、コヒーシブシリコンバックの挿入は難しく、また、直視下での手術はできないので、熟練が必要です。麻酔方法も、全身麻酔が一般的です。
長所、短所 | 適応パック | ||||||
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切開部位 | 傷 | 縫合不全 | 出血 | 麻酔 | 乳腺損傷 | 生食パック | コヒーシブ |
乳腺下縁 | 4〜5cm | 特に多い | 多い | 局所麻酔 | 極強い | ◎ | ◯ |
乳房下縁 | 3〜4cm | 少ない | 少ない | 局所麻酔 | 少ない | ◎ | ◎ |
脇 | 2〜4cm | 少ない | 少ない | 全身麻酔 | 少ない | ◎ | △ |
豊胸術における切開部位の特徴
250ccのバック ◎容易、○可能、△困難
豊胸バッグ施術の安全性と疑問
マッサージが痛い?
以前は豊胸バッグ挿入後にマッサージが必要でした。これは豊胸バッグという異物が体内に入ることで豊胸バッグを覆うように生体が膜(カプセル)で覆います。カプセルで完全に覆われてしまうとバッグは動かなくなるため、その予防としてマッサージが必要でした。このマッサージは激痛を伴うものでした。
しかし、その後開発されたtexture typeの豊胸バッグは表面に凸凹ついていてバッグを覆うカプセルを壊します。そのため、texture type豊胸バッグはカプセルで覆われず、マッサージが必要ありません。
レントゲンに写るの?
シリコンジェルバッグはレントゲン写真を撮影したときにわかってしまいます。生食バッグはレントゲン写真ではわかりません。また、豊胸バッグではありませんがヒアルロン酸注入豊胸術や自身から取り出した脂肪を注入するCRF豊胸術はレントゲン撮影ではわかりません。
バッグは破れない?
豊胸バッグは身体の中で常に刺激を受けていますので、どのバッグも破れる可能性はあります。バッグの中身によって、対処法が異なります。
生食バッグ | 数日以内に内容物が吸収されていきます。乳房が小さくなってきたら、直ちに来院してください。再手術が必要となります。 |
---|---|
シリコンジェルバッグ | バッグが破れても気がつかない場合がほとんどです。時間が経つと、周囲の組織と癒着をおこしたり、石灰化をおこしますので、術後5年経ったら、胸部レントゲン検査を受けることをお勧めします。 |
共立美容外科仙台院では豊胸バッグ豊胸術に1年保障がついております。バックが通常の生活で破損した場合は、1年以内は無料で抜去、交換します。ただし、同じメーカーの同じバックが入手困難な場合は、他のメーカーのものを使用する場合もあります。
外見的に、自然になるのはいつ頃?
よりよいバストを作る為、手術は下辺を広く剥離しています。一見、下に落ち過ぎている様に見えますが、経過と共に自然な形に落ち着いてきます。これも、個人差によりますが、胸の形は1~2ヶ月で水着になれるくれいまで、落ち着くでしょう。
施術中の痛みと施術時間は?
施術にあたって局所麻酔と全身麻酔を行います。寝ている間に施術が完了する痛みに配慮した施術を行っています。時間は、消毒とデザインを含めて1時間~1時間半位です。しかし、術後少し休んでいただきますので、朝10時にご来院いただき、ご帰宅は夕方の4~6時位となります。
ダウンタイム・副作用
術後〜3日 | 胸全体を大きく包帯で厚く巻き患部を圧迫します。 |
---|---|
4日後 | 圧迫除去に来院いただきます。 |
2週間後 | 抜糸のためご来院いただきます。傷口のシャワーは術後1周間後、湯船は術後2週間で可能です。また、1~2週間ほど胸に筋肉痛があります。 |
1~2ヶ月 | バストの形が落ち着き水着をきれる状態になります。 |
半年間 | 1ヶ月毎に検診にご来院いただきます。また、 術後3ヶ月はワイヤー入りのブラの使用は禁止です。 |
一般の手術と同様のリスクと後遺症
- 薬の副作用が出ることがあります。
- まれに、麻酔の副作用が出ることがあります。
- まれに、感染及び炎症症状が出ることがあります。
- まれに、神経障害が出ることがあります。
- まれに、瘢痕が目立つことがあります。
- まれに、色素沈着や色素逸脱が出ることがあります。
- まれに、輸血が必要なことがあります。
豊胸術に特異的な注意点
基本的に、生まれつきの乳房と全く同じ柔らかさと感触は期待しないでください。殆どわからない位の人も多くいますが、多少とも固い感触、辺縁のペコペコする感じがでるのが普通です。
- カプセル硬縮(前述)
- バックの位置の非対象性(バックの位置が左右対称でないときがあります)
- 乳輪、乳頭の知覚異常(知覚神経が損傷すると知覚異常をおこすことがあります)
- リッピング、タッピング(多少なりとも、バックの周辺がぺこぺこすることがあります)
- 石灰沈着(特に、シリコンジェルでは多いといわれております)
- バックの破損(前述)
豊胸バッグ一覧
1.カプセル硬縮について
カプセル硬縮の程度の判定
この点に関しては、Beckerのカプセル硬縮の分類が有名です。
Grade1 | 乳房は柔らかく、挿入した異物の感触がほとんどないもの。 |
---|---|
Grade2 | よく触れるとインプラントがわかるが、かなり柔らかく、患者からの苦情があまりないもの。 |
Grade3 | 患者自身から硬いという苦情がある。外見上は、美容的に問題ないが、触れるとインプラントがはっきりわかる。 |
Grade4 | 硬縮が明らかで、外見上も異常感がある。触れば、テニスの硬球状である。 |
いずれにおいても、カプセル硬縮の予防と治療には、体外超音波が非常に有効とされております。最近のテクスチャータイプのバックでは、出血や感染が起きない限り、Grade4までいくことはめったにありません。Grade4になると、摘出し、再手術をおこなうことをお勧めします。
カプセル硬縮の防止
カプセル硬縮を防ぐには、だいたい以下のことが考えられます。
1)出血、感染を防ぐ。
一番有効なのは、手術時に出血や感染を起こさないことです。未熟な術者が行いますと、出血が多くなり、その結果、手術時間がどうしても長くなります。そうすると必然的に感染の機会が増えることになります。たとえ、僅かな感染がおこり、これは抗生物質で収めることができたとしても、長期的には硬縮を起こし、バックを摘出しなければならなくなります。できるだけ出血を少なくするために、丁寧に剥離し、要領よくスペースをつくらねければなりません。このためには、経験とセンスが欠かせないものとなります。
2)スムースタイプよりも、テクスチャータイプのバックを使用する。
最近の研究では、圧倒的にテクスチャータイプのバックの成績がいいとの報告が多数でております。さらに、テクスチャータイプは、マッサージの必要がないので、痛い思いをする必要もないのも大きなメリットとなります。また、感触においても、スムースタイプでは、バックが移動する感触があまりに人工的であり、うまく手術が行って柔らかく仕上がっても、このバックの移動を直すことはできません。
3)術後に体外超音波をおこなう。
スペインのJ.Planasによって、豊胸術の術後に体外超音波を施すことで、カプセル硬縮を予防することができることが報告されました。もともと外傷の瘢痕部の硬縮を予防治療することで、整形外科の分野では長期にわたり使用されてまいりましたが、これを応用したところ非常にいい成績が出たとのことです。最近では、色々な研究機関での追試で証明され、カプセル硬縮を防ぐためには体外超音波が有効なのは、殆ど異議がないところとなっております。また、体外超音波は、カプセル硬縮の予防のみならず、治療としても有効であり、豊胸術の後は、定期的に体外超音波を受けたほうがいいと思われます。
2.マッサージが不要なバック(texture type)と必要なバック(smooth type)
ほんの4~5年前までは、カンセリングしていると、どこからか「ギャー!」と言う声が聞こえたものです。殆どの場合、これは豊胸術の後のマッサージだったのです。そのくらいマッサージは痛いものでした。このマッサージが、豊胸した患者にとって一番の苦痛でした。ところが、最近はこのような痛いマッサージをする必要がなくなってきたのです。まず、どうしてマッサージが必要だったのかということから説明します。豊胸バックは人体に害のないものでつくられておりますが(通常、シリコン)、生体はこれを異物と認識し、バックの周囲に厚い繊維の壁を作っていきます。これを、被膜、あるいは、カプセルと言っております。これが完全にバックを覆ってしまうと、バックはまったく動かなくなります。では、どのようにして軟らかさを保てばいいのでしょうか?2つの解決策があります。1)バックと被膜との間にスペースを確保して、そのスペースの間をバックが動くようにする方法。2)被膜ができないようにする方法。この2つについて説明します。
1)バックと被膜との間にスペースを確保する方法
まず、最初に考えられた方法で、このスペースの間をバックが移動しやすいように、バックの表面は滑りやすい性状(smooth type)となっております。バックの挿入が容易であるというメリットがあります。また、最初に広まった方法なので、年配の医師は特に慣れているともいえます。しかしながら、バックと被膜との間に常にスペースを確保する必要があるため、一生涯マッサージが必須となります。また、一生懸命マッサージを続けても、長期においては、硬縮を起こす可能性が高いことが、最近の文献で明らかになっております。
2)被膜ができないようにする方法
これは、カプセルの肥厚を防ぐために、バックの表面に細かい凹凸をつけるものです。表面に細かい凹凸があると、カプセルの主な構成成分であるコラーゲン繊維が断裂し、密に配列しないことが明らかになりました。この研究結果が、豊胸術へ応用されました。この方法では、マッサージをまったくする必要がなくなりました。したがって、マッサージのあの苦しい激痛から開放されたのです。しかも、1)の方法に比べ、圧倒的に長期の成績がいいことが、多くの論文で明らかになりました。また、1)の方法では、多かった乳房の形、位置の変形が非常に少なくなり、また、マッサージが必要ないので、バックの破損する可能性も低くなりました。現代の豊胸術は、texture typeが主流であり、smooth typeのメリットは殆どないと理解していただいていいものと思われます。
2.スムーズタイプ(マッサージが必要な豊胸バック)とテクスチャータイプ(マッサージ不要バック)の皮膜硬縮の傾向:5年間の追跡調査
この前もって計画され、コントロールされた研究の目的は、スムースタイプとテクスチャータイプのシリコン豊胸バックの間で、皮膜硬縮の発生頻度を比較するというものである。豊胸バックは、表面の性状を除けば同一のものである。25名の女性に対して豊胸術が行われた。全ての被験者の一方の胸にスムースタイプ、他方の胸にテクスチャータイプを挿入した。もし、一方のバックが他方のバックよりいいなら、いい方のバックに交換できると、被験者は、手術の前に言われていた。この研究は、二重盲検にて行われ、1年後にその結果が明らかにされた。1年間の追跡調査では(既に研究報告されている)、3つの観点が皮膜硬縮の程度の判定に用いられている。1)胸の硬さの違いについての患者の意見。2)研究者による皮膜硬縮の評価分類。3)機械による軟らかさの測定。全ての観点で、テクスチャータイプの豊胸バックが、スムースタイプの豊胸バックに明らかに勝っていた。5年経過後、17名の患者は、固いという理由で、スムースタイプの豊胸バックをテクスチャータイプに変更した。1名のみが、テクスチャータイプを取り除いた。1年目と5年目の24個のテクスチャータイプの豊胸バックの硬さを機械で比較すると、僅かに統計的に有意に5年目のものが硬くなっていた。
結論:同じ患者の片方にテクスチャータイプ、他方にスムースタイプを挿入して比較検討した研究:テクスチャータイプの豊胸バックが皮膜硬縮の発生頻度が低い。→原文
3.バックの軟らかさの違い
軟らかさからいうと、生理食塩水バックが一番固い感触です。シリコンジェルバックは、コヒーシブの程度によって、軟らかいものから硬いものまで色々なものがあります。ただし、これらは体内に挿入したときには、繊維化の程度、脂肪の厚み、乳房の大きさ、出血及び炎症の程度によって、個人差が大きく、一概には断定できないことを覚えておく必要があります。シリコンジェルバックを挿入した人より、生食バックの人の方が軟らかい場合も多く見られます。生まれつきの巨乳の場合と異なり、多少の硬さ、感触の違いがある場合が多いと考えておいてください。
軟らかさについて
内容物の軟らかさとバックの軟らかさ、体内の軟らかさは異なるし、更に、被膜硬縮、手術の巧遅、個人差が加わるので、一概に論じるのは非常に難しい。
1)内容物とバックの性質
よく、「シリコンジェルバックやCMCバックの方が生理食塩水バックより軟らかい」と、一般に広告されておいますが、実際に人体に入れた時の軟らかさは、まったく異なっております。内容物の軟らかさを比べてみると、一番軟らかいのは生理食塩水です。生理食塩水より軟らかい内容物はまだ、開発されておりません。ところが、バックにいれると、生理食塩水バックは、シリコンジェルバックやCMCバックより、多少硬くなります。これはどうしてでしょうか?生理食塩水はあまりに軟らかすぎて、形を保つことができません。したがって、ビニールバックの様に、伸展性に乏しいシリコンバックで包むことで、例えば、乳房の形を作るしかありませんでした。シリコンジェルバックやCMCバックもバック自体はシリコン製です。しかし、内容物がジェル状なので伸展性の高いシリコンバックを使用することができるだけなのです。生理食塩水をシリコンジェルバックやCMCバックとおなじ伸展性をもつものにいれると、「あまりに軟らかすぎて球状」になってしまいます。したがって、ビニール袋のように硬く伸展性のないバックを使うしかなかったのです。ただし、最近のフランス製のものは伸展性の高いバックを開発し、生理食塩水バックでもかなり軟らかくなっております。以上の議論を聞いてみると、「生理食塩水バックより、シリコンジェルバックや CMCなどのジェル系バックが外に出して触ってみると軟らかいから、人体にいれてもジェル系が軟らかいんだ」といえないのが、難しい点なのです。
2)カプセル硬縮の問題
さらに、カプセル硬縮の問題があります。カプセル硬縮とは、バックの周囲に厚い繊維性の膜が形成され、バックの伸展性が全く失われ、非常に硬くなる状態のことです。カプセル硬縮がおこったときは、両者に違いはありません。カプセル硬縮のない場合には、ジェル系バックが軟らかいのですが、カプセル硬縮のあるジェル系バックと硬縮のない生理食塩水バックでは、生理食塩水バックの方が軟らかいのが普通です。
3)結論
つまり、結論から言うと、「個々の個人の脂肪の厚さ、乳腺の発達、手術のうまい下手、カプセル硬縮の程度の差、出血、感染、など多くの要因が加わり、個人差がバックの種類の差を上回っているので、一概に、生理食塩水バックよりジェル系バックが軟らかいとはいえないのです。
- 内容物:生理食塩水がジェルより軟らかい。
- バック自体:両者とも主にシリコンが主体。生理食塩水バックよりジェル系バックの方が伸展性がある。
- 生体外で指で触った時の感触:生理食塩水バックのほうがジェル系バックよりやや硬い。
- 生体内でカプセル硬縮がおこったとき:生理食塩水バックとジェル系バックに違いはない。
- 生体内でカプセル硬縮がない場合(多くの場合):生理食塩水バックよりジェル系バックがやや軟らかい。
- 生体内でカプセル硬縮のおこったジェル系バックと硬縮のない生理食塩水バック:生理食塩水バックの方が軟らかい。
4.破損の可能性
残念ながら、どのバックも破れる可能性はあります。バックの種類にかかわらず、どのバックも5年で数%程度は破損します。バックは、大人が踏みつけても、引っ張っても破れませんが、人体内では、常に刺激をうけており、バックの表面が次第に傷ついていくのです。もし、破損した場合は、生食バック、CMCバックは、数日以内に内容物が吸収されていきます。乳房が小さくなってきたら、直ちに来院してください。再手術が必要となります。この場合、1年以内であれば、無料。1年以上であれば、28万円となります。シリコンバックの場合は、上記とは異なり、破れても本人は気づかないことが殆どです。時間が経つと、周囲の組織と癒着をおこしたり、石灰化をおこしますので、術後5年経ったら、胸部レントゲン検査を受けることをお勧めします。
5.安全性
1)医療器具、医薬品の安全性の判定
医療器具、医薬品の安全はどのようにして決められるのかを知る必要があります。まず最初は、動物実験です。マウスやモルモットなどの実験動物に対して医療器具、医薬品を試します。これは、数匹単位ではありません。何十、何百、場合によっては数千、数万となることもあります。勿論、妊娠、奇形、授乳なども検討されます。動物実験で問題がなければ、少数のボランティアに対して実験が行われます。この段階で、初めて人間を対象としたものとなります。ここで問題がなければ、さらに大勢のボランティアにたいして、多くの大学、研究所で実際に試されます。ここで問題がなければ、各国の厚生省がその医療器具、医薬品の認可を行います。認可した後も常に追跡調査が行われており、新しく発見された副作用は常に告知されるようになっております。
2)サリドマイド薬害の教訓
どの段階が一番重要かといえば、実際に「どれだけ多くの人に、どれだけ長期におこなわれたか」です。動物実験をどんなにおこなっても、種差(動物間の遺伝的な違い)があり、完全に副作用を発見できないことがあります。たとえば、サリドマイド薬害の例が有名です。サリドマイドは、マウスやモルモット、うさぎなどでは、どんなに投与しても、子供に奇形は生まれません。そのため、ドイツ、フランス、イギリスはもちろん日本でも認可され、多量に使われました。唯一、米国FDAだけは、猿に置ける実験で異常がでたため、認可しませんでした。結果はどうだったでしょうか?世界中で多数のサリドマイド児がうまれ、世界の薬害史に残る大惨事となったのは、皆様のご承知のとおりです。医薬品については、多少副作用があっても、どうしても使用しなければならないこともあります。最近、サリドマイドが非常に予後の悪い骨髄腫(血液の病気)で有効との研究結果が発表され、FDAは、世界に先駆けて、厳しい条件付で認可しました。
3)シリコンジェルショックの教訓
しかし、美容の目的においては、さらに厳しく、安全性を検討する必要があります。たとえば、十数年前まで、日本、米国でも認可されていたシリコンジェルバックの例をもちだすと分かりやすいと思います。シリコン自体は人体にとって害のないことが、世界中で何百万人に、何十年と使用されており、証明されております。ところが、シリコンジェルの状態だと、いろんな副作用がでることが分かってきました。つまり、物質としては問題のないものでも、形状と量が生体に合わないと、色々な不都合が出ることがわかってきたのです。これは、実際、シリコンジェルを人間の鼻や乳房に注入すると、組織の中に迷入し、にくげ組織を形成し、盛り上がり、変性、硬化するなどの好ましくない結果を示すことが明らかになりました。これは、ジェルを直接組織に注入したためだと多くの人が考え、ジェルがもれないように、バックにいれて豊胸術をおこなえばいいと考えました。実際、何万という人に、このシリコンジェルバックが挿入され、5年を経過した時点では、たいした副作用は見つかりませんでした。この5年までの結果が非常によかったので、世界中の国々、勿論、日本、米国においても、シリコンジェルバックは認可されたのです。ところが、10年以上経過すると、バックからジェルが少しずつ漏れ出し、組織に迷入しだしたのです。丁度、ジェルを直接注入した時と同じ副作用が、10年以上たってはじめて出現したのです。たまたま、この時期に、シリコンジェルで膠原病や癌が発症するという論文が発表され、特に、米国において大騒ぎとなりました。俗に言う「シリコンジェルショック」です。米国の保健衛生省(FDA)は、直ちに、シリコンジェルバックの使用を全面的に禁止しました。そして、何千人に及ぶ徹底的な調査を開始しました。その結果は、シリコンジェルで膠原病や癌を引き起こす証拠は得られなかったとのことでした。ところが、シリコンジェルはバックが破損すると、直接的に組織に迷入し、にくげ組織を形成するという問題が解決されておりません。そのため、いまだに米国では、美容目的での使用を認めておりません。(だだし、極最近、新しく開発されたコヒーシブシリコンでは、たとえバックが破損しても、組織への迷入がないので、条件付きながら認可されております。)
シリコンジェル騒動から明らかになったこと。
- 物質そのものが、例え、長期使用されており、安全性が確立したものであっても、その形状、使用方法、使用量が従来の利用方法と異なれば、望ましくない結果を引き起こすことがある。
- 通常、5年程度の経過観察で安全性を判断しているものであっても、緊急性のない美容目的であれば、10年以上の経過観察が必要である。
- 美容目的の使用であるなら、通常の医療目的以上の厳しいハードルを設けるべきである。
現在のところ、以上の3要件用件をみたすものは生理食塩水バックしかありません。ただし、残念ながらその感触に問題があります。このため、各メーカーが色々な種類のバックを開発しているのです。
米国 | EU | 日本 | ||
---|---|---|---|---|
生食 | ◯ | ◯ | × | 日本を除くほぼ全ての先進国で認可されている。 |
シリコン | △(条件付き認可) | ◯ | × | 生食に次いで広く認可されている。 |
○認可、×不認可
豊胸に関する最新ニュース
メンター社のシリコンジェルインプラントが条件付で承認内示されるーInamed社は不承認
外科・形成外科機器諮問委員会-2005 年4 月11~13 日(要旨)外科・形成外科機器諮問委員会(General and Plastic Surgery Devices Advisory Panel)が2005 年4 月11~13 日、ヒルトンワシントンDC ノース/ゲーサーズバーグホテル(620 Perry Parkway,Gaithersburg, Maryland)にて開催された。会議の目的はInamed 社のSilicone-Filled Breast Implant 及びMentor 社のSilicone Gel-Filled Breast Implant の市販前承認申請(PMA 申請)に関してFDA に助言・提言を行うことであった。会議は2005 年4 月11 日に始まり、まず議長であるStephen P. Rhodes(Division of General, Restorative& Neurological Devices 課長補佐代理)が前回会議以後の最新情報を委員会に説明し、Dr. Miriam Provost(Division of General, Restorative & Neurological Devices 課長代理)がシリコンジェルインプラントに関する規制の概要を説明した。11 日にはさらに140を超える個人、消費者団体、各種学会から寄せられた証言について検討した。2005 年4 月12 日、Inamed 社が自社のSilicone-FIlled Breast Implant のPMA に関する修正後のデータの概要を説明、このデータについてはすでに2003 年10 月13~14 日に委員会の審議に付されており、FDAがデータの審査結果を示した。審査では抜去されたインプラントの回収調査及び無症候性破裂に関するもう1 年間の患者追跡調査データの結果が強調された。臨床試験データに関して、治験依頼者とFDA はともに主要試験(豊胸、乳房再建、再手術の患者で、手術後3 年間の経過観察を終了し、約4 年間の観察データが得られている者を対象とした10 年間の非盲検前向き試験)で得られたデータを中心に説明を行った。安全性評価では全被験者の合併症発症率並びに無症候性破裂の評価を目的とした一部コホートのMRIデータが検討された。有効性の評価基準は乳房のサイズ、患者の満足度、及びクオリティー・オブ・ライフ各指標とした。試験登録例数は豊胸手術 494 例(使用インプラント数987個)、乳房再建術221例(使用インプラント数361個)、再手術226例(使用インプラント数432 個)であった。委員会ではPMA データ及びFDA の質問が徹底的に審議され、無症候性破裂、被膜内破裂や被膜外に及ぶ破裂、さらには被膜外に漏出・浸潤したジェルの影響に関する検診法の審議では破裂データ(無症候性破裂等)の特性評価の妥当性や破裂による影響を評価するデータの妥当性。